廉価望遠ズームレンズの撮り比べレビュー

廉価望遠ズームレンズの撮り比べレビュー!
特長を理解して賢く使いこなそう

今月は、リーズナブルな望遠ズームレンズをピックアップ!
純正レンズと比べると大幅に安くて便利なのはわかるけど、画質はどうなの?と気になっている方も多いはずです!
春の運動会シーズンも直前に迫っていますので、さっそく以下のレンズを使って撮り比べてみました!

タムロンから「18-400mm F3.5-6.3 Di II VC HLD(以下タムロン18-400mm)」
シグマから「100-400mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary(以下シグマ100-400mm)」
APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM(以下シグマ50-500mm)」の計3本です。

外観比較外観比較

これらのレンズですが、1泊のレンタル料金はキヤノン純正の超望遠ズームレンズ「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」と比べると、なんと半額以下です!
たしかに純正レンズは画質も手ブレ補正の効き具合も最強です。
でもこれだけ値段が違ってくると、サードパーティ製レンズも気になってきませんか?

以下、かんたんな比較表です。やはりレンタル料金が目をひきますね…。
※ちなみにここで35mm判換算のmm数を表記しているのは、タムロン18-400mmがAPS-Cセンサー搭載のカメラでしか使えず、換算値で揃えてみてほしいからです。

 18-400mm100-400mm50-500mm100-400mm II
(参考)
メーカータムロンシグマシグマキヤノン
レンタル料金
(円/1泊2日)
3000340038009000
ズーム域(mm)18-400100-40050-500100-400
ズーム域
35mm判換算(mm)
29-420160-64080-800160-640
手ブレ補正ありありありあり
最大径×長さ(mm)Φ79×123.9Φ86.4×182.3Φ104.4×219Φ94×193
質量(g)710116019701640

そんなに安いなら性能も悪いのでしょう?

と思われたあなた!
…まあ性能については優っている部分はないかもしれませんが、価格や大きさ重さ(50-500mmは除く)という性能は勝っています。
こういったサードパーティレンズは純正とは違った強みを持っていて、それに価値を見出したなら選択はあり!事実、需要はかなりあります。

みんながみんな、高くて、重くて、大きい、キヤノン純正の100-400mm IIを使えるというわけではないのです。

100mm、300mm、400mmの画角で比較

さっそくビルの4階から、以下のような画角で撮影しました。
使用したカメラボディはEOS KISS X9iです。そのため実際の画角は数値の1.6倍のmm数になっているところに注意してください。
また三脚も使用して写真の中心にある交通標識になるように撮影しましたが、厳密に調整しているわけではありませんのでずれが大いにあります。ご了承ください。

撮影した画角

F値はすべて、その焦点距離におけるそのレンズの開放です。
開放ではなく少し絞れば、画質が改善する可能性は大いにあります。
開放で撮った意図は、元々F値が大きく暗いレンズのためあえて絞らず、低感度を重視したためです。
結果として感度はほとんどがISO 100〜250、高くてISO 400となっていますので、ノイズ自体は少ない写真になっていると思います。

100mm

まずは100mmから。全体の見え方はこんな感じです。※ちなみに先ほどの写真は18mmです

100mm比較
拡大可

それぞれのレンズで撮った写真の中央と周辺を切り出して、縮小無しの等倍を並べてみました。
中心画質はどれもほとんど変わりません。
周辺はSIMGA 100-400mmが良好で、その他は色収差と流れ(コマ収差)が見え、画質が劣っていると言っていいでしょう。

300mm

続いて300mm。全体の見え方はこんな感じです。

300mm比較
拡大可

中心はTAMRON 18-400mmがよく写っています(たまたまかもしれませんが)。
周辺は100mmと変わらず、あえて言えばSIGMA 50-500mmが際立って悪いです。

400mm

最後に400mm。全体の見え方はこんな感じです。

400mm比較
拡大可

中心はSIGMA 50-500mmが若干良い気がしますが誤差の範囲でしょう。
周辺はSIGMA 100-400mmの優位が無くなってきましたが、まだ良さそうに見えます。

縮小した写真を比較

続いて、写真の左を切り取って縮小したもので比べてみましょう。
ピントは写真右上に少しだけ写っている標識に合わせています。
全体像ではないのは顔やナンバープレートが認識できてしまう可能性があるためです。ご了承ください。

100mm左比較
拡大可

100mmの描写です。3分の1程度に縮小しています。

300mm左比較
拡大可

300mmの描写です。3分の1程度に縮小しています。

400mm左比較
拡大可

400mmの描写です。3分の1程度に縮小しています。

いかがでしょうか。
どれもほとんど変わらない、と思いませんか?
等倍で見ないならほとんど変わらなく見えると言っても良いのではないでしょうか。
とはいえ、画質という点ではSIGMA 100-400mmがやや抜きん出ている気がします。

じゃあサードパーティレンズ最強はSIGMA 100-400mmだ!
となってしまいそうですが、ちょっと待ってください。
その他2本には独自の強みがありますから、次からは写真を交えて彼らの持ち味を紹介していきましょう。

TAMRON 18-400mm F3.5-6.3 Di II VC HLDの特長

まずはTAMRON 18-400mmから。
本レンズのウリはなんといっても20倍以上ものズームレンズであるという点。
つまり1本でさまざまな画角を撮影できるため、旅行など多くの場面で多くの被写体を撮影する用途に最適な1本と言えるでしょう。
ただし、先ほどまでの写真を見ていただいたとおり、全体的に色収差が目立っている気がします。画質についても(解放では)素晴らしいというレベルではないと思います。

それでも、この超倍率のズーム域はタムロンだけ!唯一無二です。
広角も望遠(超望遠!)も、1本でなんとかしたい、というときは、選択肢が限られてしまっても致し方ないと思います。
それだけ特別で、便利なレンズなのです。
また写りに関しても拡大しないならそれなりに、という気もしますので、携帯性と利便性重視ならベストチョイスと言っても良いでしょう。

TAMRON 18-400mm F3.5-6.3 Di II VC HLD 18mm側
拡大可
TAMRON 18-400mm F3.5-6.3 Di II VC HLD 50mm
拡大可

上の写真2枚はSIGMA 100-400mmでは撮れない画角を撮影しています。
18mm、50mmもほぼ同様で、性能的には特筆するほど良いわけでもありません。
先述までの比較例からも、タムロンは色収差は全域で表れてしまうようですので、この独特の色が気になるようでしたら色収差を消すために1段以上絞って撮影したり、別のレンズのチョイスをおすすめします。

SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSMの特長

続いてシグマの50-500mmです。
500mmもの超超望遠撮影が楽しめるのは本レンズだけ!
これまでの例から、周辺はともかく中央部分は400mmまでならそれなりによく写っていますので、周辺はあきらめて、10倍ズームとして使うなら大いにありでしょう。
500mmで撮る状況はあまり多くはないかもしれませんが、500mmが必要とならば画質には目をつぶって使いましょう。
ただし本レンズはキヤノン純正100-400に匹敵するほど大きく重いです。

SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM 50mm側
拡大可
SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM 500mm側
拡大可

SIGMA 100-400mmでは撮れない50mmと500mmを撮影しています。
タムロン並に色収差が目立ち、最広角の50mmでも最望遠の500mmでも、色収差は消えません。
500mmではコマ収差も目立ちます。

まとめ

長々と書いてしまいました…。
結論としては、100mm〜400mmをメインに使用するならSIGMA 100-400mmが均一な画質を保っていてベストチョイスということにします。
大きな破綻が無いため使いやすく失敗も少ないと言い換えても良いと思います。

欠点は広角撮影が全くできないことになります。つまり広角が不要という場合もベストチョイスでしょう。

お断りしておきますが、この3本ではシグマ100-400mmが一番良くなるのは当たり前です。
シグマ100-400mmだけ4倍ズームで、他は10倍以上のズーム域を持っているからです。
撮影できる範囲が広いほど、画質を犠牲にして利便性を高めているわけです。

シグマ100-400mmを選ぶ方に注意してほしい点は、レンズの重さが1.2s近くあり、決して軽いわけではないということです(というか重い)。
軽いレンズで超望遠撮影がしたい場合は、タムロン18-400mmなら700gほどとなり比較的小型軽量で、これ1本で広角撮影までこなせます。
純正レンズも考慮すれば、ほぼ同等の重さでEF70-300mm F4-5.6 IS II USMというレンズがあります。ただしタムロンと比べると広角側が弱いです。

Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USM
Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USM

さらにシグマ50-500mmなら標準域から500mmもの超望遠域まで1本でカバーできます。
50mmは広角ではありませんが、シグマ100-400mmより広く撮れるのは明白です。
またタムロンの18mm同様、500mmという画角は今回比較した他の2本では撮れない圧倒的な望遠域です。
キヤノン純正レンズで500mmもの超望遠域を撮ろうとしたら、100万円近い販売価格のレンズになりますが、シグマ50-500mmならその数分の1の価格で提供されています。
この価格ならば周辺画質が悪いだの、大きいだの重いだのといった欠点は、目をつぶって使うべきでしょう。

何が言いたいかと言いますと、どのレンズもコンセプトがあって存在しているので、画質だけで選ぼうと安直に考えてほしくないのです。
目的や用途に合った最適なレンズをレンタル頂ければ、満足度も高まるのではないかと思います!
もちろんわからない場合はお気軽にお問い合わせいただければ、わかる範囲でお答えしていますので、ご質問もお待ちしています。

タムロン 18-400mm F3.5-6.3 Di II VC HLDのレンタルはこちら

シグマ 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryのレンタルはこちら

シグマ APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSMのレンタルはこちら

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