寄れる!撮れる!楽しい!
M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO
全国推定3000万人のオリンパスPROレンズファンの皆様、大変お待たせいたしました!
満を持して、M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO(以下17mm F1.2 PRO)のご紹介になります。
M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO のレンタルはこちら
早いものでこのレンズも発売からすでに1年です(執筆時2019年1月)。
前回の45mm F1.2 PROレンズ紹介時に「レンタル入荷したら書きます」と言っていたくせに、1年もサボっていたのか!
いえいえとんでもない、1年も苦悩していたのです。
言うまでもなくかっちょいい
さて本レンズは表記上17mmですが、マイクロフォーサーズ規格のため実際の焦点距離はこの2倍となり、つまり35mm判に換算すると34mm(わかりづらい)となりますので、広角レンズに属する焦点域になります。
この34mmというところが個人的に「ニクイ」ポイントでして、広角でぐわーっとダイナミックに撮ったり、望遠でずずずーっとアップで撮ったりすることができません。
つまり構図を作る技術を、レンズの画角でごまかすことができないため、撮る写真の出来はセンスや経験が大きく左右する、大変難しいものなのです!
いやいや、単純に君が苦手なだけでしょ、って言われたらまあそうなのですが…ともあれ撮ってきた写真を後日見返しても、「この写真好き!」と思えるものがほとんどなかったのが、記事を書けなかった理由です。
数多くの写真を没にしていましたが、発売から1年も経ってしまったのでさすがにこれ以上後回しにするのも…ということで以下、拙い写真を交えて後悔、いや公開したいと思います。
さて写真の前に、いつもの性能&外観について一言だけ。
17mm F1.2 PROですが、きちんと確認しないと絶対に他のPROレンズと間違えてしまうデザインです。それほど見た目が同じです!違いなんて無いのではと思うくらいに。
並べて写真を撮ってみました
上から見るとレンズの構成の違いがわかりやすいですね
違いなんて無いーと言ったな、あれは嘘だ。
失礼、大きな違いがありました。かなり重要なポイントですが忘れてました。
17mm F1.2 PROは最短撮影距離が20cmなのです。
20cmって聞いて、そうでもないじゃん、と思われるかもしれません。 でもこの距離はレンズ先端からではなく、カメラのセンサー面から被写体までの距離のことなのです。
どういうことだってばよ・・・!?
計算してみましょう。
17mm F1.2 PROの全長は約9cm、カメラボディは大体4〜5cmくらいはありますから、被写体までの距離はわずか7cmほどとなり、マクロレンズでもないのにめちゃくちゃ寄れてしまうのです!
撮影中にくしゃみでもしたらレンズを被写体にぶつけてしまいほどですね。
寄れるってことは、それだけ被写体を強調させるためのボケ表現がしやすいことになります。
さあここからようやく写真が現れますよ。
火にかけたお鍋を焦げない程度に近づいて撮ってみました。いかがでしょうか。それっぽい写真になっていませんか?
薄暗い室内でもF1.2の明るさでこのとおり余裕をもって撮影できます。
食べ物に寄って撮ると微妙におしゃれっぽい写真が簡単にとれます。
こんな感じボケ表現もかんたんにできます。
美味しそうでしょう?
寄って撮ればボケ表現を強調した写真が撮れるので、苦手な画角でも楽しく撮影できたのですが、
F1.2の明るさだと被写界深度が浅すぎて、ちょっとした奥行きがあるだけでピント面にずれが生じてしまいます。
下のピザの写真もサラダにはピントが合っていません。全体的にピントを合わせるにはやや絞らないとダメでしょう。
17mmなら、食卓を広く撮ったり、複数の料理を収めた写真も撮りやすいと思います。
このお値段のレンズですし、当たり前のように解像力も高めです。カメラ本体もどんどんと高画素化してますが、PROレンズならまだまだ当分は解像力不足で悩むことは無いでしょう。
レンズ購入で悩んでいる方は大は小を兼ねるということで、いっきにPROレンズを手に入れてしまうのも悪くない選択肢でしょう。
かんたんには手が出せないよ〜(自分も含む)という方は、必要なときぜひレンタルを。
細かいところまでつぶれず描写してくれててうれしいですね。
暗いところでも安心と正義の明るさF1.2!
広角ですがF1.2だからボケ描写も楽しめます
モノクロも美しいボケ味が合わさって雰囲気120%増しです
せせらぎがが聞こえてくるような優しい描写です
さてここからは外での写真です。
某ロープウェイで登れる百名山。登頂はしましたが、前回に引き続き天候に恵まれず、山頂からの眺望は無し…。おまけに途中から雨に見舞われて…そんな踏んだり蹴ったりでしたが、運よく雲が途切れたときにぱしゃり。
もっと息をのむような写真を撮りたかったです
うって変って快晴です。
山での撮影だともう少し広角の方が個人的に好きかもしれません。パナソニックにはライカ銘の12mm F1.4がありますので、近い将来オリンパスからも12mm F1.2 PROが登場することでしょう(レンズの大きさがものすごいことになりそうですが)
超いい天気!風もなく快適でした
紅葉は決まって地面(落ち葉)も撮ります。
今回は日中だったので落ち葉のみ撮っていますが、夕刻なら伸びきった自分の影なんかも一緒に写したりしています。時間や季節といった表現があらためてできていると思うからです。
上でそれっぽいこと言っていますが、書いてるときに思いついたことだったりします。
ピントが合うところは葉脈がくっきりと、そして騒がしくないボケ味
こんなに紅くてきれいな紅葉を見たのは初めてだったのでもう1枚
最後に建造物をいくつか。広角はこのような被写体も容易に撮れてしまうのがうれしいですね。
手持ちですが自分でも驚くほど水平取れてますよねこれ
大仏界ヒエラルキー上位のこの方もこのとおり。F1.2だから暗くても本当に安心して撮れます
さすがに前方は外光で白飛びしてしまいましたが、圧倒的な神々しさを見ていただきたく
誇らしげな背中がほれぼれしますね。でもよく見ると雨粒が(笑
最後に
今回は珍しく色味を補正した写真も掲載しているのですが、いかがでしょうか。
撮ってだしを載せてほしい!という声が多ければそのようにしたいと思っていますが、とはいえ補正したほうが見栄えは良くなりますからね。
さて、オリンパスのPROレンズ記事もこれが最後です。なかなか感慨深いものがありますね…。
と思っていたら、新しいレンズロードマップが発表されて、PROレンズのラインナップが増えるようで(苦笑)
このシリーズ、もうちょっとだけ続くんじゃ。