FDR-AX700とPXW-Z90の違いと特徴

FDR-AX700とPXW-Z90の違いと特徴

昨年末にレンタル開始したFDR-AX700(以下AX700)。こちらは民生用のハンディカムシリーズとして登場しましたが、2018年に業務用XDCAMとして見た目がほぼ同じのPXW-Z90(以下Z90)も登場しました。(こちらも好評レンタル中)
XLR音声入力が可能なハンドル部が追加となったことは写真から一目瞭然ですが、それ以外の違いはどうなっているのでしょうか。
今回の記事ではかんたんにそちらをまとめてみたいと思います。

仕様を比べてみよう

さっそくですが、AX700とZ90の主な仕様を並べて比較してみましょう。
大きな違いは、「記録フォーマット」「映像出力」「音声入力」の3点になるのではないかと思います。

FDR-AX700 PXW-Z90
モデル 民生用 業務用
イメージセンサー 1.0型 Exmor RS CMOSセンサー
有効画素数 動画時(16:9) 1420万画素
画像処理エンジン BIONZ X
記録フォーマット XAVC S、AVCHD XAVC、AVCHD
ズーム 光学12倍、全画素超解像24倍(HD)、18倍(4K)
AFシステム ファストハイブリッドAF
手ブレ補正 光学式手ブレ補正(アクティブモード搭載)
映像出力 HDMI Type-A、マルチ/マイクロUSB HDMI Type-A、マルチ/マイクロUSB、BNC(3G/HD/SD)
音声入力 ステレオミニジャック ステレオミニジャック、XLR(ハンドルユニット搭載)
Wi-Fi / NFC 2.4GHz / 対応 5GHz、2.4GHz / 対応
HDR(HLG) HLG、HLG1〜3
S-Log S-Log3、S-log2
本体質量 約935g 約1390g
外形寸法※ 121×104×274.5mm 130×181.5×287.0mm
静止画撮影 可能(最大1,420万画素) -
動画記録最高ビットレート XAVC S 4K 100Mbps 4K XAVC QFHD Long420 100Mbps
その他の特徴 スーパースローモーション/スロー&クイックモーション、ナイトショット、デュアルメモリーカードスロット、マルチインターフェースシューなど

※バッテリー、レンズフード、大型アイカップ含む

表には入れませんでしたが、Z90のほうがネットワーク機能が段違いで豊富でした(下記写真参照)。
具体的にはストリーミングやらFTP転送やら、セキュアプロトコルにも対応するといったところですが、やはり業務用、プロ仕様と言えますね。

>AX700とZ90のネットワーク設定項目の違い
左:AX700、右:Z90

XAVC SとXAVCの違いとは

パッと見ほとんど同じなんじゃないの?と認知してしまいがちな「XAVC S」と「XAVC」。
どちらもソニーが開発した記録フォーマットになりますが、かんたんに言ってしまうと「XAVC S」が民生用で「XAVC」が業務用です。
名前が似ていますが中身は別物です。
「業務用のカメラのほうが画質がいいんでしょ?オートで撮るんだから操作もかんたんでしょ?」
と安易に考えて業務用カメラで撮影してしまうと、撮った後困る可能性があります!
それはなぜでしょうか。

記録フォーマットの違い

まず、XAVC Sで記録されたファイルは「MP4」ファイルで保存されます。皆さんよくご存じのMP4です。
MP4ならよほど古いパソコンやスマートフォンでもない限り、容易に再生できます。
動画編集のためのソフトウェアも豊富にあります。
さらにソニー製のハンディカムシリーズなら「Playmemories Home」が無料で使えるので、これからチャレンジしたい方にとっても敷居は低いでしょう。

一方、XAVCで記録されたファイルは「MXF」というファイル形式で保存されます。
当然のごとくMXFファイルは業務用です。先にご紹介したPlaymemories Homeでは扱うことができません。
またZ90にはAX700とは異なりソフトウェアは付属していませんので、MXFファイルとXAVCフォーマットに対応した編集ソフトやオーサリングソフトをご自身で用意する必要があります。
弊社でカメラをレンタルするだけですべてOK、というわけではないのです。

MXFについて詳しく知りたい方はWikipediaをどうぞ https://ja.wikipedia.org/wiki/Material_Exchange_Format

ちなみにXAVCというフォーマットが生まれたのにはきちんとした理由があります。
それまで主流だったAVHCDフォーマットでは対応できないビットレートを誇る「4K動画」の登場です。
ソニー ニュースリリース 業務用から民生用まで拡張性ある4K/HD高画質ビデオフォーマット「XAVC」を開発

4K動画に限ったことではありませんが、こういった新しい技術はその業界の成熟に伴い、一般家庭でも手が届くカメラに搭載されていくことは必然の流れですが、わずか半年足らずでXAVC Sが登場していることには驚きですね。
ソニー ニュースリリース 4K/HD高画質ビデオフォーマットXAVCを拡張

ビデオ編集したい!iMovieで編集したい!

iMovieは機能が大変豊富なビデオ編集ソフトです。しかもiOS、macOSユーザーなら無料で使えるという、Appleの大盤振る舞い。
ユーザーが多い分、iMovieで編集したい、編集できるの?
といったご希望、ご質問をいただくことがありますので、今回の記事に合わせて調べてみました。

iMovie対応のカメラ
iMovie対応のカメラ

たくさんあって探しづらいですが、AX700の項目にて、フォーマットが「AVCHD/XAVC S」に対応していることがわかります。
しかしながらZ90の項目は見つかりません。やはり業務用のフォーマットには対応していないようです。

繰り返しになりますが、業務用のほうがよさそう!という思いだけで選んでしまうのは大変危険です。
しかも家庭用のビデオカメラでも4K画質で撮影でき、画質が悪かったり性能が低いなんてことはまったくありません。
それでも業務用カメラが気になる方は、本番前に試しに使ってみるようにしてください。

ちなみにどちらのカメラも従来のHDフォーマット「AVCHD」でも記録できます。
「XAVC S」フォーマットが登場したばかりならともかく、この記事を掲載している2018年では、撮った後にビデオ編集するならAVCHDを使う意味はあまりないように思えます。
よって特別な理由がない限り「AVCHD」は使わずに、画質に優れた「XAVC S」フォーマットで記録するようにしましょう。

なおPlaymemories Homeではたいした編集はできませんので、凝った動画編集をしたいWindowsユーザーの皆様は、何か編集ソフトを購入するしかなさそうです。

まとめ

かなり簡素なまとめでしたが、ほとんど同じように使えるAX700とZ90でも、記録できる内容は別物だということをお分かりいただけましたか?

最後にAX700およびZ90の欠点をあげておきます。
気になったのは「中途半端なタッチ対応」と「手ブレ補正の効果」です。
どちらも撮影中に液晶パネルをタッチすることでフォーカス部分を切り替える「タッチAF」には対応しますが、メニューをタッチで操作することができません。
右手親指付近にある小さなレバーで操作する必要があり、これがなかなか操作しづらくかなり不親切でした。
個人的な意見ですが、使いやすさを求める場合はFDR-AX40やHDR-CX680など、これまでのハンディカムを選択いただいた方が無難かなあ、と思います。

メニュー操作は液晶パネルをタッチではなく、このレバーを操作しなければいけません。

次にソニー製ハンディカムに搭載されてきた「空間光学手ブレ補正」がこれらの機種にはありません。「光学式手ブレ補正」は搭載しますが、効果はやや劣ります。
そのため手持ちで動いて撮影するような用途には少し心もとなく、丁寧な扱いが必要になるかもしれません。

2つ欠点をあげましたが、AX700、Z90のどちらも、動体を素早く補足する進化したAFシステム「ファストハイブリッドAF」が使えますし、リアルな高画質をもたらす「4K HDR撮影」もできます(視聴には対応のテレビが必要です)。
画質に関してはほかの追従を許さない性能です。
カメラの種類が多くて選択には悩んでしまうかもしれませんが、1歩進んだ動画撮影にチャレンジしたい中級者の方や、4K HDRに興味を持たれている上級者の方は、ぜひ比較検討いただければと思います。

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