電圧降下を知ってプロジェクターを安全に使おう

レンタル館で取り扱いのある大型プロジェクターは、大規模な会議やイベントなどでよく使われる人気機材です。ですがプロジェクターは精密機器であるため、使い方を誤ると急に電源が落ちてしまったり、最悪動作しなくなってしまうこともあります。 そのため、特に大型プロジェクターを使うときは気をつけて欲しい「電圧降下」という現象があります。
今回は、動作が不安定になる電圧降下の原因はなんなのか、どうすれば予防できるのか、といった改善策なども交えて解説します。

コンセントからの電圧には揺らぎがある

日本国内で扱われる電機製品のほとんどは、電圧が100V(ボルト)仕様で、レンタル館のプロジェクターも全て100Vです。
そのためコンセントからの電源も100Vだと、おそらく誰もが考えていると思います。
実際はコンセントからの電源は100±3V程度の揺らぎがあります。
この程度の揺らぎは、プロジェクターの一般的な使用では問題はありません。しかし、例えば電源ケーブルを延長すると距離に応じて電圧降下が起こり、プロジェクター使用中に電源が落ちる、各種アラームが点灯する、など予期せぬことがおこります。

電機製品のも中でもプロジェクターは電圧降下に弱く、90V以下になると動作が危うくなります。

さて、電圧降下が起ってしまう要因には、以下のようなことが考えられます。

  • 1)使用するケーブルが細い
  • 2)コンセントから延長するケーブルが長い
  • 3)他の機器も同じ電源から取る(いわゆるタコ足配線)

どれもちょっとした意識で改善できるものとなりますので、次節から解説していきます。

電源ケーブルの太さには違いがある

上図はケーブルの内部を走る線の、太さを3種類(3.5mm2/2.0mm2/1.25mm2)表示しています。
1.25mm2はレンタル館で扱っている10m電源延長ケーブルの太さです。ここにはありませんが、さらに細い家庭で使われるような0.75mm2も存在します。

ホームセンターなどで販売されているものは、電源ドラムタイプも含めて、ほとんどは1.25mm2タイプです。ケーブルの仕様を見ると1.25mm2タイプであることが記載されています。

一方、3.5mm2/2.0mm2は特殊で、販売はされていますが見かけることは稀なようです。

すなわち我々の身近にある電源ケーブルは、1.25mm2か0.75mm2の太さが大部分を占めるため、プロの方を除けば、電源や電源ケーブルに対する意識が低くなるのは当然のことと言えます。

次に上の電圧降下グラフを見てください。
これは各種ケーブルの長さによる電圧降下を表したグラフです。

このグラフは横軸でケーブルの長さを、縦軸で電圧を表し、棒グラフの中の数字は使用する電流を表しています。
これを見ると、「同じコンセントに接続している機器の合計電流が多いと、電圧効果がより激しくなる」という(3)の現象がわかります。

ここで、レンタル館で一番大型のプロジェクター「PT-DW740S」を例にして具体的に説明します。 再び電圧降下グラフを見てください。

ここではPT-DW740Sの他にもパソコン等も同じコンセントから使用していたと考え、その合計消費電力を1000W(PT-DW740Sは消費電力810W)とします。 1000Wの場合、電流としては10Aですので、一般的な電源ケーブル1.25mm2を使っていたとすると、グラフでは青い部分を見てください。

いかがでしょうか?
メーカーに確認したところ、PT-DW740Sは電圧が90Wまでなら問題なく作動するそうです。ですが、30m延長すると電圧は91.5Vとなり、すでに90Vまできわどい状態です。
元々の電圧が97Vぐらいの場合もありますので、30m延長してしまうと90Vを下回ってしまい、動作しなくなってしまう可能性も考えられます。
50m延長しなくてなはらない状況では、まず利用は難しいでしょう。

なお電圧降下による不具合は、メーカーによると何が起きるかは一定ではないようですが、90Vを下回った際に起きる現象としては多いのが、一旦点灯しても途中で電源が落ちたり、ランプ異常などのアラームが点灯することだそうです。

電圧降下を防ごう

電圧降下対策としては、以下のようなことが考えられます。

正確な電流を知る

設営・テスト時に、本番と同じような状況にして使ってみることで、実際にどれだけの電流が必要かテスターで計測し、問題ないかどうか調べておくわけです。
テスターが必用となりますので、持ち合せがないのが普通でしょうから、一般的には下の3つを実践することになるでしょう。
なお弊社で設置作業を行う場合は、テスターを自参してチェックを行うようにします。どのような現場でも必ず本番と同じ状況にして計測することが大切です。

ケーブルの太さを変える

少なくとも家庭用の太さ0.75mm2のケーブルを延長をして、大型プロジェクターを使用するのは控えましょう。 一般のお客様で電源ケーブルを自身で用意できない場合も、大型プロジェクターを使うような大きな会場には、3.5mm2の電源ドラムがあると思われます。それを手配して使用するようにしましょう。
またレンタル館でも3.5mm2のケーブル(10m)をオプション品としてレンタルを開始予定ですので、どうしてもケーブルが用意できない場合は、大型プロジェクターといっしょにレンタルすることをお勧めします。

ケーブルの長さを変える

なるべく近い電源を使用し、無駄な延長はしないことが重要です。どうしても冗長になってしまう場合は、設置担当と話をして状況を改善しましょう。

電源を分散して使用する

ごく普通のビジネス用プロジェクターでも、複数のプロジェクターを一箇所から電源供給することは通常考えられません。 さらに大型プロジェクターの場合は電気容量が大きいので、独立している電源コンセントにで使用するようにしましょう。

ただし、コンセントを別にしたとしても、同じ壁側にあるコンセントは、実は内部でひとまとまりの回線だった、ということがあります。事前に会場の電気担当へ確認しておきましょう。

まとめ

レンタルしたプロジェクターが使用中、電源が落ちる、といったご指摘が過去にありました。そのプロジェクターをご返却頂いたあとで動作チェックを行っても、特に異常が無いことも多かったのですが、使用時の環境による電圧降下が原因だったのかもしれません。

電圧降下はあくまで不具合を引き起こす原因の1つですが、「電源がおちる」「アラームがつく」状況になった場合、電源まわりのことも疑ってみて下さい。

最後に余談ですが、プロジェクターは電圧降下に特に弱く注意が必要ですが、ハロゲン球照明機器などは電圧降下があっても特に電源が落ちることは無く、電圧に応じて暗くなります。

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前回の特集「EOS C100 Mark II のご紹介」

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