フィルムのいろは!PENTAX 17と学ぶフィルムカメラの基本

フィルムのいろは!PENTAX 17と学ぶフィルムカメラの基本

Coyote


2024年7月、PENTAXから国内で21年ぶりとなるフィルムカメラ、PENTAX 17が発売されました。
最近はフィルムの人気が復活しつつあるとのことで、弊社でもさっそくPENTAX 17のレンタルを開始しましたが、デジカメやスマホに慣れ親しんだ世代が多い今、初めてフィルムを扱うという方も多いはず。

そこで今回はこれからフィルムを始める皆さんへ、重要ポイントをまとめたフィルムのいろはをご紹介!

使用前の注意事項

フィルムを扱う上で、注意しなくてはならないことがいくつかあります。

未現像のフィルムは絶対に光に当てない事

フィルムは光を記録するものなので、未現像のフィルムに光を当ててしまうと感光して使えなくなります。
フィルムを装填時にはパトローネから最低限のフィルムを引き出しますが、それ以外では絶対にフィルムに光が当たらないよう注意しましょう。
※現像済みのフィルムは光に当たっても大丈夫です。

有効期限を確認すること

実はフィルムは生ものです。その為、有効期限や適切な保管方法が決められています。
有効期限は箱に書かれているので確認しましょう。
一般的に、フィルムは低温で湿気が低く、暗い場所での保管が推奨されます。
※密封したビニール袋に入れて冷蔵庫にしまう等

期限が大幅に過ぎたフィルムや、期限内でも不適切な環境で保管していたフィルムは、写りが悪くなることがあります。

たまにしかフィルムを使わない場合は、買い溜めをせずに必要な時にお店で購入するのがオススメです。

フィルムの種類

フィルムには様々な種類がありますが、一般的によく使われるフィルムは35mmフィルムです。
別名、135フィルムやライカ判とも呼ばれています。
35mmフィルムはデジカメのフルサイズセンサーと同等サイズとなります。

さらに、35mmフィルムにも大きく分けると以下の3つの種類があります。 

カラーフィルム

ネガフィルム…手ごろな値段で広く一般的に使われているので「フィルムと言えばこれ」と思う方も多いかと思います。
ラチチュード(適正露出の範囲)が広く、撮影時に多少の露出ズレがあっても現像時に調整がしやすいフィルムです。
色・明暗が反転して記録されますが、プリントする際に正しい色と明暗に戻します。

ポジフィルム…ネガフィルムと異なり、撮影通りの色・明暗そのままの状態でフィルムに記録されるカラーフィルムで、リバーサルフィルムとも呼びます。
ラチチュード(適正露出の範囲)が狭いので露出の失敗に対してシビアなフィルムですが、ネガフィルムより深みのある表現が得意なフィルムが多く、自然風景などの撮影にうってつけ。
上級者向けのフィルムでお値段も高いフィルムが多いです。

モノクロフィルム

ネガフィルム…カラーと同じく明暗が反転した状態で記録されるモノクロフィルムです。
カラーフィルムより値段も手ごろで個人でも現像が可能な為、自分で現像する人もいます。
色という情報が無い分、被写体の印象を強調した表現が出来ます。

さらにそれぞれのフィルムにはいろんな銘柄の商品が作られており、商品ごとに色合いやコントラスト、感度などが違います。
そうしたフィルムの銘柄・特性からフィルムを選ぶのも楽しいですよ!

ISO設定について

フィルムは種類によってISOという感度が決まっています。
デジカメと同じでISOの高い方が感度が高く暗いところでの撮影に強いのですが、その分粒子が荒くなりザラザラします。

フィルムごとにISOが決まっている為、一度フィルムを装填すると使い終わるまではISOが固定となります。
デジカメのように1枚ごとに自由にISO感度を変えられないので、注意が必要です。
※ただし、フィルムによってはISO設定を変えても意外と撮れちゃう場合もあります。(恐らくメーカー非推奨)

カメラにフィルムを装填したら、カメラのISO感度ダイヤルをフィルムのISOに合わせます。
カメラのISO感度ダイヤルをフィルムのISOに合わせることで適切な露出で撮影されます。

昔はISO 50~3200あたりでさまざまなISOのフィルムが流通していましたが、今はISO 100、200、400、800、1600あたりが一般的には入手しやすいかと思います。

ちなみに、初めての方はISO400フィルムがオススメです。
粒子はそこそこ、日中から多少暗いシチュエーションでも幅広く使いやすいです!

あると便利なDXコード

全てのフィルムにあるわけではないのですが、フィルム本体にこういった銀の模様があり、DXコードと呼ばれています。
DXコードにはISOや撮影可能枚数等のフィルム情報が記録されており、情報によって銀の部分の形が異なります。

DXコード対応のカメラで使えば、コードからISO情報を読み取って適切な設定をカメラ側でしてくれるので便利です。

ただし、DXコード非対応のフィルムやカメラもあるので、フィルム装填時はカメラのISOダイヤルを合わせることを習慣にしましょう!

枚数に注意しよう

フィルムによって撮影可能な枚数が異なります。
一般的にはフィルム本体の箱に書かれている通りの枚数が撮れますが、PENTAX17のようにハーフカメラの場合は、撮影面積を半分ずつ利用して1枚分の面積で2枚の写真が撮れるようになっているので、表記の枚数の2倍撮影ができます。

カメラ背面にメモホルダーがあれば、フィルムの箱を切り取って挟めるので、何枚撮りのフィルムか忘れてしまっても安心です!

撮り終わったら現像しよう 

フィルムは現像後にプリントやデータ化をして初めて1枚の写真として取り扱うことが出来ます。
カメラ内で放置しているとフィルムが劣化してしまうので、撮影後は早めに現像するのがオススメです。
フィルムを巻き取ってから最寄りの写真屋さんへ現像に出しましょう。
現像時にプリントやデータ化もやってもらえます。

最近はデータ化だけしてフィルムを破棄してしまう人が多いようですが、フィルムを破棄してしまうとデータやプリントした写真が無くなった時に困るので、フィルムは大切に保管することがオススメですよ。

まとめ

デジタル世代にとっては少し難しいかもしれませんが、フィルムならではの写りや、限られた枚数の中で1枚1枚大切に撮影する撮影体験、現像するまでちゃんと写っているか分からない故の1枚1枚を見返す楽しみはデジタルでは味わえない魅力です。

失敗すらも想い出になるフィルム撮影、まずは是非レンタルで体験してみませんか?

弊社では初心者にもおすすめのハーフフィルムコンパクトカメラ、PENTAX 17を取り扱い中です!
現像するまでのワクワクを体験しましょう!

記事を書いたひと
Coyote
Coyote
テレビCMの元オフラインエディター。 映像機材のレンタル屋さんとして、映像に関する事はプロであれ!を信条に出来ることは何でも取り組んでます。 PENTAXを愛用して16年。 低シェア故に輝ける周りと被らない個性が大好き!
記事URLをコピーしました