APS-C最高クラスの描写力! 富士フイルム「XF200mmF2 R LM OIS WR」をレビュー
ついに入荷しましたフジノンレンズ XF200mmF2 R LM OIS WR
本当にAPS-Cセンサー用レンズなのかと疑ってしまうほどの大口径(105mm)
そしてズッシリ重い(約2キロ)のヘビー級レンズです。
望遠レンズでありながら、開放F2という明るい単焦点レンズなので、描き出す画は柔らかく、そして素晴らしい立体感。
早速レビューしていきたいと思います。

第一印象は「お、重い」
素直に書かせていただくと……やはり重いです。
カメラとレンズ合わせて2キロを超えるというのは珍しくないと思いきや、いざ持ってみるとレンズ側の比重が大きくズッシリとした重みを感じます。
それもそのはず、カメラに装着してみるとこのサイズ。持ち出すには少し気合いがいります。

しかし、重さとのトレードオフで得られるのは至高の描写と撮影体験。
重さ=品質の高さとして素直に納得できるレンズです。
とにかく柔らかいボケと高い解像力
200mmの望遠×開放F2ということで、まずはボケ味を試したくなります。

御覧の通り、前後のボケはトロットロに柔らかい。
これだけ柔らかい描写なのに、開放F2で撮影してもピント面はしっかりと解像しています。
Xマウントの中でも高画素機であるX-T5で撮影しましたが、4020万画素でも余裕の解像力です。

拡大すると綿毛の1本1本までしっかり解像しています。
撮れば何でも主役にしてしまうレンズです。
それでいて、フィルムシミュレーションを活かした撮影がまた楽しい。
美しい発色とレンズの描写力のおかげで、主役の花がとても引き立ちます。
逆光耐性も強く、大きな玉ボケがとても綺麗に撮れます。



開放F2で撮影しているにもかかわらず、風で揺れる被写体にもピントがしっかり合います。
これはX-T5のAFが優秀であるのに加え、大口径レンズでありながら正確で素早いAFと強力な手振れ補正が利くXF200mmF2 R LM OIS WRのおかげでもあります。
ただでさえ手持ち撮影時は重さとの戦いで自分自身が揺れてしまっているのに、ファインダーの中は常にしっかりと安定した像が写っていて、ピントがとても合わせやすいのです。



望遠レンズと言えば、動物の撮影にももちろん最適です。
程よく距離を取れるので動物たちの自然な表情を切り取れます。


下の写真は撮影設定を作り込めず急にカメラを構えた為、ISO感度が上がってしまったのですが、X-T5の高感度耐性とレンズの高い解像力のおかげで、迫力ある写真が撮れました。

この虎の写真は掲載しようか迷いました。
実はガラス越しに撮った写真なのです。
職員さんが綺麗にガラスを掃除してくれているおかげかもしれませんが、ガラス越しでも毛並みまでしっかり写すことが出来たことに驚きです。

APS-Cセンサー+200mmということで、35mm換算では305mm相当になります。
X-T5のAFは被写体認識で飛行機も選べますので、飛行機撮影にも最適です。

木の枝の陰から突然視界に飛び込んできた飛行機、すぐさまピントを合わせてくれます。

着陸間際とはいえ、上空の飛行機をこれだけ寄って撮れるのも望遠レンズゆえですね。
それにしてもこれだけ寄っても窓があんなに小さい。
窓の向こうの人のサイズを想像すると、やっぱり飛行機って大きいですね。

夏日を迎えた都心で、気温35度の炎天下の中撮り歩きました。
あまりの暑さに両腕はしっかりと日焼けをしてしまいましたが、XF200mmF2 R LM OIS WRは品のある白銀のボディのおかげで、熱の心配もせず快適に撮影を続けることが出来ました。
ただし、カメラ本体は内部に熱が溜まりやすく、夏の撮影では時々休ませないといけませんのでご注意を。
開放F2の明るいレンズの為、夜の撮影でも安心して利用できます。




暗闇に浮かぶ立体感がたまりません。
フィルムシミュレーションって昼だけでなく夜の撮影も楽しいんですよね。
あと一歩近づきたい時のテレコンバーターがセット
こちらのレンズは、なんと1.4倍のテレコンバーターXF1.4X TC F2 WRが付属しています。

200mm/F2のレンズに装着すると280mm/F2.8のレンズとなります。
1段暗くなりますが、それでも開放F2.8は十分明るいレンズと言えるでしょう。
フルサイズ換算で言えば427mmの超望遠レンズと同等です。
野鳥撮影では、フルサイズ換算300mmでも物足りないことがありますが、テレコンバーターを装着した280mm(フルサイズ換算427mm)では、見ごたえある写真が撮れました。

野鳥撮影時は、カメラ側の被写体認識AFを「鳥」にしておくことで、飛行中の鳥にもしっかりピントを合わせてくれます。

さすがは高性能大口径レンズだけあって、テレコンバーターを装着しても解像力の低下やAF速度の低下が気になることはなく、ストレスなく使用できました。

まとめ
撮影を始めたころにはこの重さに耐えられるか心配でしたが、撮って納得。
本当に素晴らしい描写のレンズです。
レンズには5段分の手振れ補正が付いている為、手持ち撮影でも大きなブレが発生することもなく、この圧倒的な解像感とトロットロのボケを味わうと、重さなんかどうでもよくなります。
カメラを持った人たちが集まるような場所でさえも、このレンズを取り出すと周りの人たちから「えっ!?」と驚かれ、たくさんの方に「こんなレンズは初めて見ました。」とお声がけをいただきました。
『とんでもないレンズを持ち歩いているのだな』と実感しました。
是非この優越感を皆さんにも味わっていただきたいところですが、とはいえ、大きく重たいがゆえに、ぶつけたり落としてしまった際のリスクもとても大きく重たいものです。
出来れば三脚に添えてじっくりと撮影するのが望ましいでしょう。
手持ち撮影をされる場合は、赤子を抱くような気持ちで優しくお取り扱いください。
また、手持ちの際は必ず付属のストラップをレンズに取り付けてご利用ください。
レンズが重たく落下のリスクが大きい為、慎重なお取り扱いが必要です。
本ブログへの写真掲載にあたり、画質が圧縮されてしまったのが残念でなりません。
是非レンズをレンタル頂き、ご自身の目でこの素晴らしい描写力お試しください。
【使用機材】
XF200mmF2 R LM OIS WR
X-T5 ブラック(ボディのみ)
X-T5 シルバー(ボディのみ)